海外から日本への商標出願



海外から日本に商標出願をされる方へ


直接日本へ出願される場合、日本に営業所等がないときは、日本の現地代理人による手続きが必要となります。

マドリッド制度を利用して国際出願をし、日本を指定国とした場合は、日本の特許庁(JPO)が暫定的拒絶通報を出したときのみ、日本の現地代理人を必要とします。

弊所では、日本の現地代理人として日本における商標権の取得をアシストします。

商標の場合は、メールのやり取りで略問題なくお客様又は代理人様とのコミュニケーションが図れると思いますが、必要に応じてテレビ会議をすることも可能です。

弊所のテレビ会議については、こちらをご覧ください。

弊所は、まだ二人の弁理士が運営する小さな事務所ですが、大手特許事務所にはない、小回りの利いたサービスを低コストで提供いたします。

外国から日本の商標を取得するのに要する費用

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日本が加盟している商標に関する条約


日本は、商標の登録、出願手続等に関する国際的条約のうち、

①工業所有権の保護に関するパリ条約(1883年成立)、

②標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定(1957年成立)、

③世界貿易機関を設立するマラケシュ協定・付属書一C知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定・1994年成立)、

商標法条約(1994年成立)、

⑤マドリッド協定議定書(1989年成立)(マドプロ

に加盟しています 。

日本では、これらの条約に調和した商標制度が構築されています。

日本の商標制度の基本的な考え方


先願主義


先願主義」とは、出願日が早いものを優先して登録する制度です。
日本では同日に同一又は類似する商標が出願された場合、「くじ」で決められます。

審査主義


出願後、その商標が公益に反するものでないか識別性を有するかどうかなどの絶対的登録要件及び、他人の先願商標と抵触するか否かなかどの相対的登録要件といった実体的な審査を行い、審査に合格したもののみが登録されます。

登録後異議申し立て制度


日本の登録異議申立制度は、特許庁が自ら登録処分の適否を審理し、瑕疵ある場合にはその是正を図るために、何人も、登録後に発行される商標公報発行の日から2月以内に限り、 その取消しを求めることができるものです


一出願多区分制度


日本では、一出願多区分制度が採用されており、一つの出願で複数の区分を指定することができます。

その他


日本では、「コンセント(同意書)制度」や「ディスクレーム制度」は採用されていません。


保護される商標の種類


日本の商標の保護対象範囲は、文字商標、図形商標、記号商標 、立体商標、結合商標、色彩商標、音響商標、動きの商標、位置商標、ホログラム商標
です。

その他制度として、団体商標、地域団体商標、防護商標制度があります。


商標出願の流れ(直接出願)


海外からの直接出願は、日本国内の出願手続きの流れと同様になります。



(1)商標登録出願


所定の事項を記載した「商標登録願」(願書)に、商標登録を受けようとする商標及び指定商品等を記載し特許庁長官に提出します。

(2)公開公報の発行


商標出願があったときには、出願の内容が商標公報で公開されます。



(3)方式審査


提出された書類が書式通りであるか、不足はないかどうか審査されます。
書類が整っていない、必須項目が記載されていない場合は、補正命令が発せられます。

(4)実体審査


審査は、特許庁の審査官によって行われます。
審査官は、出願された商標が商標登録されるべきものか否かの判断をします。


(5)拒絶理由通知


審査官は、登録要件を満たしていないなど拒絶の理由を発見した場合は、出願人に「拒絶理由通知」を送達します。


(6)意見書・補正書提出


出願人には、拒絶理由の反論を述べた意見書や、内容を補正するための補正書を提出する機会が与えられます。


(7)拒絶査定


審査官は、意見書や補正書によっても拒絶理由が解消されないと判断した場合は、拒絶をすべき旨の査定を行います。


(8)拒絶査定不服審判請求


拒絶査定に不服があるときは、特許庁長官に拒絶査定不服審判を請求することができます。

審判は、三人又は五人の審判官の合議体によって行われます。
審判の結果に不服がある場合は、さらに知財高裁に出訴することができます。


(9)登録査定


審査官は、審査の結果拒絶理由を発見しなかった場合は、登録すべき旨の査定を行います。


(10)登録料の納付


登録査定がなされた出願に対し登録料を納付すれば、商標登録原簿に登録され商標権が発生します。
商標権の設定登録後、商標登録証書が出願人に送付されます。


(11)商標公報の発行


設定登録された商標は、その内容が商標公報に掲載されます。



マドリッド制度による日本への出願(国際商標登録出願)


マドリッド制度を利用して日本国を指定国として出願された場合でも、出願処理の流れは直接出願の場合とほぼ同じです。

国際登録の名義人(代理人)はWIPO国際事務局に対して、補正などの手続きを行うことができます。したがって、通常、日本の現地代理人を必要としません。

しかし、JPOが暫定的拒絶通報をWIPO国際事務局に送付した場合は、JPOとの暫定的拒絶通報への手続き補正書等の対応は、日本の現地代理人による必要があります。

その手続きは、暫定的拒絶通報又は拒絶理由通知書において指定された3月の期間内にする必要があります。

期間の計算は、発送日の翌日を起算日として3月までの期間内であれば日本国特許庁に手続補正書等を提出することができます。

暫定的拒絶通報において指定された期間は、期間の満了前、経過後それぞれ1回の請求が認められます。

  1. 暫定的拒絶通報の応答期間内に行う期間延長請求: 1ヶ月の応答期間の延長が認められます(手数料:2,100円)。
  2. 暫定的拒絶通報の応答期間経過後に行う期間延長請求: 2ヶ月の応答期間の延長が認められます(手数料:4,200円)。



外国から日本の商標権を取得するのに要する費用


外国から日本に商標登録をして権利化するのに要する費用の詳細は、こちらをご覧ください。

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